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筑波大学からのメッセージ

実践的コンピュータサイエンス教育への期待

筑波大学 副学長(学術情報) 西川 博昭

筑波大学
副学長(学術情報) 西川 博昭

コンピュータシステムはその誕生以来、現在に比べて桁違いに高価であったハードウェアがまず実現され、これをユーザの要求を満足するよう動作させるソフトウェアが生成されるハードウェア主導のシステム開発が常套とされ、発展してきたのは周知であります。

コンピュータをとりまくICT (Information Communication Technology)技術は急速に進展し、特に、VLSI (Very Large Scale Integration) によるハードウェア価格の劇的な低下によって、あらゆるものにプロセッサを組み込むユビキタスコンピューティング、機械同士が人間を介さずに相互に情報交換するM2M(Machine to Machine)や IoT (Internet of Things)などが実現される時代を迎えています。

望ましいコンピュータアーキテクチャの本質は、ソフトウェアにとどまらずハードウェアを含めたシステム全体の最適化にあり、その実現は、要求仕様に必ずしも最適とは言えない汎用プロセッサを前提にしたソフトウェア生成に終始するものでは決してありません。

情報学群の「組み込み技術キャンパスOJT」は、M2MやIoTの中核をなす組み込み技術に焦点を当てた実践的ICT教育を実施するものであり、将来のICT 時代に本質となるソフト・ハードウェア協調設計においてリーダーシップを発揮する人材の育成のための第一歩となるものと確信しています。

未来の名工たちへ

情報学群長 長谷川 秀彦

筑波大学 情報学群
情報学群長 長谷川 秀彦

これまで、コンピュータは大きなモノであり、それをターミナルやパソコンからみんなで使うのが一般的でした。最近では、高機能化と並外れた小型化によって、個人が持つ携帯電話や時計、眼鏡など様々なモノにコンピュータが内蔵されるようになり、IOTの時代と言われています。

このような最先端の技術に対しては、これまでのようなディスプレイとキーボードに向かって考えさせるというような教育だけでは追いつけなっています。技術の分化が著しく、すべての学生が画一的に学ぶようなことでもなくなっています。細分化に対応した小集団への教育が求められており、昔のような徒弟的な訓練が必要なのかもしれません。

情報学群の「組み込み技術キャンパスOJT」は、企業で働く先端技術を持った技術者を大学に派遣して頂き、少数の学生に直接学んでもらおうという仕組みです。学生時代のこのような経験は、目先の流行にとらわれず、深い素養を持ち、 IOT時代にリーダーシップを発揮できるような技術者が育ってくれものと確信しています。

学内でインターンシップ!

情報科学類長 大矢 晃久

筑波大学情報学群 情報科学類
情報科学類長 大矢 晃久

昨今、在学中の就業体験として、企業等におけるインターンシップの重要性が盛んに語られています。通常、インターンシップは学生が一定期間企業に出向いて行うため、夏季休業中など授業がない期間に実施するのが普通です。本キャンパスOJTは、組み込み技術に関する講師を企業から招くことで、通常の授業期間に学内キャンパスにいながらにしてOJTの経験をすることができる、いわば「学内でのインターンシップ」を可能にした画期的なプログラムです。

組み込み技術は、情報機器の根幹をなす重要なものであるにもかかわらず、日進月歩で進化するハードウェアとソフトウェアに密接に関連するため、常に最新の開発装置や技術動向に対応した環境で実習することが不可欠です。本プログラムの講師陣は企業の第一線で活躍されているエンジニアで構成されており、現場での開発の一端を垣間見ることもできるでしょう。

一人でも多くの学生が、このチャンスを活かし、実社会に出る前の貴重な経験を積んでくれることを期待しています。

生きた実践の場に学ぶ

情報メディア創成学類長 平賀 譲

筑波大学情報学群 情報メディア創成学類
情報メディア創成学類長 平賀 譲

どんな世界においても、生きた実践の現場に触れることは一番の勉強になります。研究においてしかり、製造の場においてしかり。優れた先輩方の経験やノウハウを学び、次々起こる予期せぬ問題に対し、解決策を1つ1つ自分で考えていくこと、その果ての成果から得られる達成感は、答のある問題を解いていくような勉強とは異なる経験、能力、自信をもたらしてくれます。組み込み技術キャンパス OJT はまさにそのような機会を与えてくれるものです。

加えて、組み込み技術というのは実際には我々に一番身近な存在でありながら、普段はその存在すら意識せず、ましてその内実を知ることはありません。本プログラムはそこに凝縮された高度な技術や知恵を実地に学習する場を与えてくれるという点でも貴重です。

本プログラムから得られる経験や知識は、単に組み込み技術そのものにとどまらず、情報メディア創成学類が目指す、クリエイティブで総合力のある技術者、研究者の育成にもつながるものであり、その更なる発展と充実が期待されます。

尖った学習の機会を

知識情報・図書館学類長 歳森 敦

筑波大学情報学群 知識情報・図書館学類
知識情報・図書館学類長 歳森 敦

知識情報・図書館学類生が組み込み技術キャンパスOJTに参加したのは平成27年度からです。受講者はまだ少数ですが、「業界の第一線で活躍している講師陣から直接指導を受け、大学では学ばない最前線の知識が獲得できた」「他学類の優秀な学生との繋がりが得られた」と授業内容や学習環境に対する受講者からの評価は大変高いものです。

知識情報・図書館学類は文理融合を掲げて幅広い視野・経験を持つ学生を育てようとしていますが、それは決して「なんでもできるけど、ほどほどにしかできない人」をめざしているわけではありません。われわれは「なんでもできる上に、あることには傑出した人」を育てようとしています。「傑出する」ためには、まずトップランナーと自分の能力との格差を自覚し、その差を埋める努力が求められるのですが、キャンパスOJTではまさにそのような体験ができるのだと思います。優れた講師陣・選ばれた受講者の中で自らを磨くまたとない機会をこの授業は与えてくれます。

学類内ではカバーできない、このような教育機会が得られることは、情報学群としての強みであると感じます。今後も、知識情報・図書館学類の学生がキャンパスOJTの受講を希望することは間違いないと思います。

協力企業からのメッセージ (社名五十音順)

組み込みハードウェア開発の魅力

取締役会長 佐々木 譲

株式会社アクセル
取締役会長 佐々木 譲

私たちのまわりには、たくさんの組み込み機器があります。携帯電話、携帯音楽プレーヤー、家電、AV機器、OA機器、カーナビ、ゲーム機など数えればきりがありません。このような組み込み機器をどのようにつくるかが、組み込みハードウェアの開発です。

パソコンに代表される汎用機器は何でもできて便利ですが、起動に時間がかかったり、動作が不安定だったり、不必要な機能を搭載していたりで不便なこともあります。それに対し組み込み機器はユーザが必要とする機能を最適化して搭載する専用機なので、機能・信頼性・大きさ・価格などを考慮した、魅力ある製品にすることがでます。

組み込み機器を開発するハードウェア技術者は優れた製品をめざして「仕様の検討」、「アルゴリズム開発」、「アーキテクチャー設計」、「インプリメンテーション」等の各ステージで、多数の選択肢の中から最適な決定をしながら開発を進めていきます。ユーザニーズを的確に捉えて分析し、自由な発想と工夫によってバランス良い魅力あるハードウェアをつくり上げる、それがモノづくりの実感と醍醐味。製品全体をイメージしながらのモノづくり、実際の製品として手にしたときの感動、組み込みハードウェア開発の大きな魅力がそこにあるのです。

開発現場を想定した実践的教育プログラム

代表取締役社長 筑波大学客員教授 松浦 一教

株式会社アクセル
代表取締役社長 筑波大学客員教授 松浦 一教

私は2009年度から開始したCOJTハードウェアコースで通年で講師を務めました。

テーマはどういうものが良いか、どうしたら楽しく取り組んでもらえるかなどいろいろ悩みましたが、実際の開発現場を想定して自主性を最重要視し、出来るだけ自分で決められるように課題(グラフィックスLSIの設計)を設定しました。

正直不安もありましたが、12名の学生全員が最後まで挫折せずに課題をクリアし、成果発表会で自分で作ったものを自慢げに活き活きと説明している姿を見たときは「やって良かった!」「間違ってなかった!」と確信しました。学生も相当な努力が必要だったと思いますが、LSI設計を通して実際の開発現場を体験できたこと、完成させたときの達成感を味わえたことは今後どのような職種に就いてもプラスになると思います。

ソフトウェア開発はPCがあれば手軽にできますが、ハードウェア開発は高価な機材が必要なのでなかなか手軽に始められません。そんな贅沢な環境がCOJTには揃っています。ここまで充実した実践的な教育プログラムはなかなかないと思います。是非体験してみてください。

モノ作りの楽しみ

代表取締役社長 赤堀 雅行

株式会社エクステージ
代表取締役社長 赤堀 雅行

みなさん、モノを作った事がありますか?設計図があったり、だれかが作ったものを真似てみたり・・・そういうモノ作りでは無く、何もないところから一つずつ積み上げて作り上げる!本当のモノ作り。作っては壊し、そしてまた作る。そうして作り上げてもまだ納得がいかない。だから、「次回は!」「今度こそは!!」の思いが自分をも成長させていく。これがモノ作りの楽しさであり醍醐味だと思います。

ハードウェアであってもソフトウェアであってもそれは変わりません。そして、技術力や知識だけがあっても決して良いモノ作りは出来ません。自由な発想と想像力があって初めて持てる技術や知識が活かせ、結果、良いモノ作りが出来るのです。

「こうしたら、どうなるだろ?」「こうしたほうが、いいかも!」チャレンジ精神を忘れずに、この体験を通してモノ作りの楽しさ、魅力を感じ取ってもらえればと思います。

組み込み機器で高まるユーザーインターフェースの重要性

代表取締役社長 野﨑 愼也

アートスパークホールディングス株式会社
代表取締役社長 野﨑 愼也

さまざまなデジタルハードウエアの進化は、それを見ただけでは何ができるのか、どう使うのかが分からないほど、高度になってきました。

従来のスイッチボタンやボリュームつまみに代表されるアナログのインターフェースでは、機器をコントロールすることが困難になっており、スマートフォンに代表されるタッチ液晶インターフェースが主流になってきています。

こうした機器と利用者の接点を、機器仕様、利用目的、利用者などさまざまな視点から最適に構築することは、産業界でも重要な課題になっています。

グループ会社の株式会社セルシスはグラフィックコンテンツ分野におけるソリューションプロバイダーとして、株式会社エイチアイは組み込み機器向けソフトウエアに関連するデザイン/企画/開発としてこの課題に取り組んでまいります。

本プログラムでは、組み込み機器の高機能化を支えるインターフェース設計、実装を担う技術者を育成すること、また、3次元的空間の広がりを、インターフェースに取り込む基盤を提供し、実践的に次世代インターフェース構築技術を習得することを目的としております。

キャンパスOJTで開花する才能にワクワク

代表取締役社長 岳 洋一

株式会社トイロジック
代表取締役社長 岳 洋一

株式会社トイロジックの代表として、今年もキャンパスOJTがスタートした事を心からお祝い申し上げると共に、最高の成果が生まれますよう会社をあげて応援させていただきたいと考えております。

人類が文明を持ってから今日に至る、どの時代においても人々の人生を豊かにしてきたのは常に技術の進歩であり、その技術の進歩は、研究を楽しむ純粋な情熱、類な才能と努力から生まれてきています。

これから皆さんがキャンパスOJTを通して開花させるであろう才能が、未来の世界で様々な形で、娯楽、生活、医療、インフラ、産業など、様々な分野で技術を進歩させていく事を想像すると、早くも心の底からワクワクする気持ちが沸き上がってきます。

これからの一年間、存分にキャンパスOJTを通して、そこで人生においてかけがえのない貴重な思い出をつくってください。